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相槌
アリスの一喝で、穴倉とクマガイの二人は、戦意が弾けた。
今まさに戦わんとしていたところでの仲裁は、絶妙のタイミングと言えた。
「ああ、うん」
「……うん」
二人の相槌は、性質が異なる。
穴倉はさも当然の様な相槌。
戦闘態勢は直ぐ様解かれた。
その態度は、クマガイから見ると、並々ならぬ絆がアリスと穴倉の間にある様に見えた。
だからこそクマガイは、一瞬沈黙したのだ。
そして、そこから自らを落ち着かせる様に、相槌を打った。
「……」
憮然とした表情のクマガイ。
アリスとの関係性が深まってきた今のクマガイだからこそ、思うことがある。
「……」
穴倉にここで先んじられた様な気がして、小さな嫉妬の感情が胸のうちに生じたクマガイ。
アリスはクマガイの不満そうな顔を一瞥してから、穴倉と向かい合う。




