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かけがえのない自信
誰がどう見ても、戦力差は歴然だろう、とクマガイは思う。
(実際にはどうなのか分からないけどさ……)
風の力を得たクマガイ。
それはクマガイにとって、革新的な事由。
今まで何も取り柄がなかったクマガイには、風の力を得たことは、他に類を見ない、圧倒的な個性の付加であった。
そう思わされていたと、クマガイは認識している。
仕組まれていたことなのだと思うと、必死に生きている自分は何なのだろうという虚しさが、クマガイの胸に去来する。
(風の力って、用意されてたっぽいっていうかさ……)
クマガイは風の力を、クマガイ自身で勝ち取れた個性だと思っていた。
長らく、鋭利な爪による攻撃しか戦闘手段を持たなかったクマガイ。
そこに降って湧いた風の力。
いや、風の精霊との対話によって、クマガイが状況を切り拓き得た風の力。
この経緯は、クマガイにとって、かけがえのない自信となっていたのだ。




