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かんじ合える状態
アリスは神妙な面持ちで、しばらく、あーだのうーだの言ってうめいていた。
しかし、ガシガシと頭を掻きながら、意を決した様に、目を大きく開いた。
真っ赤な瞳が宝石の様で、クマガイはその美しさに息を飲んだ。
「……っ!」
寝転んでいたはずの穴倉は、いつの間にか上体を起こし、座っている。
「……!」
二人共に、アリスに注目し、次の言葉を待っている。
アリスが真剣だと、わかるからだ。
伝わって来たからだ。
これは何も、アリスの気持ちを察そうとしたわけではない。
ただシンプルに、わかっただけなのだ。
「……っ!」
「……!」
クマガイも穴倉も、アリスが言葉を紡ぐのを待っている。
だが、アリスはなかなか本題の話をしない。
「まぁよ、俺が何を言いたいかは、だいぶわかると思うんだわ」
この歯切れの悪さはアリスらしくない、と、一瞬、クマガイは思った。
しかし、歯切れの悪さと裏腹に、アリスは満足げでもある。
その感情に触れたクマガイは、苦笑いしそうになりながら、しかし、堪えた。
(やっぱ態度はデカいなぁ……!)
アリスの中にある、この精神世界において、魂は剥き出しとなる。
故に、アリス、穴倉、クマガイの三人は、お互いの感情の色をかんじ合える状態にある。




