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移る光
しかし、ジャン・ジャックは違った。
(光が)
その目ざとさこそ、まさに目ざといと言えるものなのかもしれない。
(光が消えた。 いや……)
ジャン・ジャックは、しっかりと黒球を見ていた。
医者であるジャン・ジャックにとって、観察は当たり前のもの。
クマガイは、もたらされた情報について思考を発展させられなかったが、ジャン・ジャックは違う。
観察し、気付いたことがあるのだ。
(光が移った)
ジャン・ジャックが、この場にいる中の数人を、ちらりちらりと流し見た。
アリス。
クマガイ。
シャノン。
そしてガイン。
この四人には、弾ける黒球から、光が移動した。
それは一瞬のことだったし、当人たちすら気付いていない。
しかし、黒球の何かが、確実に四人に宿ったのをジャン・ジャックは見たのだ。




