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業火球の着弾
「……」
黒球はなす術がない。
迫り来る業火球に対する術がない。
ただそこに在るだけである。
「……」
そして声にならぬ声をあげる。
だがその声はアリスには聞こえない。
「……」
聞こえないはずなのだ。
しかしアリスは、目を輝かせ、黒球を指す。
そして煽る様な一言。
「ざまぁみさらせ!」
「……」
黒球の声は依然としてアリスには聞こえない。
だが、これみよがしに勝ち誇るアリス。
ジャン・ジャックはその様子を見て、違和感をかんじた。
それもそのはず、アリスの胸の内には、暗い気持ちが去来している。
穴倉を自爆させねばならなかった、自分の無力さが悔しいのだ。
「……ちっ」
アリスの放った業火球が、黒球に着弾する。




