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轟熱業火球
しかし。
「……」
いつの間にかジャン・ジャックを降ろしたアリスが真っ直ぐ右腕を上げ、一本指を立てている。
その指の直上に、火球が発生している。
火球は、黒い炎を孕んでいて、そのエネルギーは計り知れない。
そんなアリスの火球が、ぐんぐん巨大化して、その大きさを増して行く。
「……」
──何だと?
そう声が聞こえた様に、アリスには思えた。
黒球がそう声を出した様に、アリスには思えた。
厳密にはアリスには、声は聞こえていない。
だが、アリスはニヤリと笑った。
まるで黒球の声が聞こえたかの様に。
「ッッシャァァッッッオォォッッッラァァァッッッッッ!!!」
精神的にノったアリスは、更に火球に力を注ぎ込む。
一気に注ぎ込む。
その顔は、禍々しい、戦う獣の様な顔。
赤い瞳が爛々(らんらん)と輝いて、まるで火球の様。
野性の勘で、ここが攻め時だと察知した顔。
火球は直ぐ様、黒球の何倍もの大きさとなる。
火球の巨大化は尚も続く。
だが、巨大化の終わりを待つ様子はアリスにはない。
巨大化途中で思い切り指を振り下ろすアリス。
「轟熱業火球!!!」
そして業火球が黒球へ向かう。




