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……はずだった
クマガイにとっての黒球は、受け入れるべき存在ではなかった。
それは、今となっては至極当然のこと。
得体の知れない邪神など、受け入れないのは当然のこと。
クマガイにとっては、そうだった。
だが、黒球は、まさか拒絶されるとは思いもしなかった。
「……」
というのも、クマガイの心には、どす黒い負の感情が渦巻いていたからだ。
アリスへの、どす黒い負の感情が。
「……」
アリスはこの世界の真実を知っている。
この造られた世界の真実を知っている。
アリス自身も造られた存在だということを知っている。
「……」
そしてクマガイもそれを知ってしまった。
自分が何者なのか、アリスが何者なのかを知ってしまった。
きっとアリスは自覚しているだろう。
そう思うと、クマガイの心は、黒い霧に覆われることとなった。
……はずだった。




