1858/2233
黒球の侵食
組成魔法は、この世界ではイレギュラーな魔法だ。
別の次元、異界の魔法である。
黒球はこれを知っている。
自分のいた世界では存在する魔法だからだ。
しかし、この世界には適合しない。
そのはずだったのだ。
「……」
しかし、アリスは組成魔法を使用していた。
それは、驚くべきことだ。
黒球に出来ぬ、この世界への適合を、アリスは果たしている。
ならばアリスを取り込めば、黒球も適合した存在になれる。
この世界に直接干渉し、組成出来る存在になれる。
だが、アリスには黒球の声は届かない。
全くきっかけがない。
「……」
黒球は、他者を揺さぶって、その心の隙間に入り込み、心を侵食して邪神化させる。
そして、その者の意思と同化して、混沌へと向かわせるのだ。
デシネは自分の意思で行動しているつもりでいたが、黒球に支配され、誘導されて、その心を食われていたのである。




