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自己愛と自負
穴倉がどういう経緯でこの自爆火球の力を得たのか、アリスは知らない。
もしかしたら、とてつもない努力によってもたらされた力なのかもしれない。
そうだとすると、アリスとは力を得る過程があまりにも違う。
これがアリスの心を揺らす要因となっている。
(まぁよ……)
アリスは苦笑する。
自分はあまり苦労なく力を得て来た、とアリスは自負する。
自覚ではなく、自負である。
そこには誇りがある。
(俺は俺だから、色んなモンをもらえたわ)
アリスは、今度はニヤリと笑う。
目には力があり、心の揺れは止まっている。
アリスは、自分であることに誇りを持っている。
その一点には迷いがない。
(俺がもしクマガイのアホだったら、きっと扱い悪かったわ)
アリスは、アリスに生まれたことが運命だと思っている。
アリスに生まれたことで、運命を変える力を得ていると思っている。
そして、運命を変える力を得たのは、運がよかったと思っている。
(運も実力のうちって言うしよぉ、俺が俺に生まれた幸運がまず俺の実力なんだわ)
圧倒的な自己愛と自負。
それは時に、アリスの道を切り拓く。
故に、アリスはアリスであることで、運命を変えていると言えなくもないのかもしれない。




