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黒球の声
そんなクマガイを眺め見る黒球。
釈然としない思いを抱きながら、次から次へと炎を飲み込む。
(……)
その時、黒球が発した言葉は、他の誰にも伝わらない。
いや、伝わる機会さえなかった。
音としては出ていないのだ。
(……)
音が出ていない理由は明白。
何故ならば、発声器官を持たないからだ。
故に、直接心に語りかける。
(……)
しかし、念話とは似て非なるもの。
全く異なる方法である。
通信手段の様なものではないのだ。
(……)
黒球は、相手の魂を一時的に自分の意識に取り込む。
その際、相手には害を与えることは出来ない。
ただ魂に直接声を伝えるだけである。




