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クマガイの落ち着かなさ
すると、実感出来る。
記憶の中の自分は、所詮、造られたものだ、と。
(造られた記憶の中の俺は、こんな風に考えたりしない)
クマガイの魂が、リュック化していた体に戻る。
意識が戻ると、そこはアリスの背中。
「何これ、リュックひも! どうなってんの!?」
クマガイは、すかさず声をあげた。
自らの体に繋がっているリュックひもに困惑する気持ちが、声をうわずらせた。
それは、あからさまに道具化している自分自身の体の意味不明ぶりへの恐怖あってのうわずりであった。
だが、声がうわずった理由は、それだけではない。
改めてアリスと共にあろうと思うクマガイは、思うところがある。
黒球を拒絶し、アリスと共にある規定の路線を行くことに、思うところがある。
クマガイは、黒球からの情報で、様々なことを知ってしまった。
そして、その様々なことについて、考え続けている。
それ故、気持ちが落ち着かないのだ。
この落ち着かなさも含めて、今のクマガイなのだ。




