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あてが外れた格好
誰もが黒球の能力をある程度把握している。
その為、黒球が勝つか、火球が勝つかを見ているのだ。
黒球は、触れたものを呑み込み、消滅させる。
それは物体のみならず、熱線でも変わらなかった。
故に、誰もが思う。
自爆の火球も、呑み込まれてしまうのではないか、と。
その仮説は正しい。
黒球は触れた炎を呑み込み、消滅させてゆく。
しかし、ただ消滅させているのではない。
エネルギーへと変換し、吸収しているのである。
自爆した穴倉の放つ炎は、次から次に黒球に迫る。
まるで生きているかの様に、黒球めがけてうねり来る。
故に、黒球はその力を全開にする。
黒球は自爆火球の中にあって、火球の炎を吸収してエネルギーに変えているのだ。
しかし、それにも限界はある。
吸収出来る量の上限はあるのだ。
そしてその上限に達した時、黒球は炎に焼かれてしまうだろう。
だから黒球は、そうなる前にクマガイと意思の融合を果たしたかったのである。
だが、クマガイは黒球を自分の中に迎え入れはしなかった。
黒球は、あてが外れた格好である。




