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うなだれるクマガイ
黒球から様々な情報を得たクマガイ。
その内容にショックを受けてしまって、肉体のピンチにも、あまり心が動かないのだ。
(……)
沈黙のクマガイ。
その顔は無表情。
だが、沈んだ表情の様でもある。
(……)
黒球は、引き続き喋っている。
意識の中でクマガイは小さく頷き、依然としてアリスたちを見ていた。
(まさか、俺たちが人じゃないなんてなぁ)
アリスが知る、仲間たちの真実。
その情報にクマガイも到達してしまったのだ。
自分たちはこの世界に生み出された存在でしかない。
そのことを知ってしまったクマガイは、全身の虚脱感に溜め息しながら、前世の記憶に思い馳せた。
しかし、前世の記憶もまた、クマガイに虚脱感を上乗せすることとなる。
(前世なんて……)
前世の記憶は、偽りの情報。
アリスたちとの関係性は幻だったのだとクマガイは考える。
(前世なんて、なかったんだ……)
うなだれるクマガイ。
しかし黒球は意に介さず、相も変わらず情報を開示する。
それはクマガイにとって、知りたくないことも多かった。




