1838/2233
俺たちは人間じゃない?
クマガイの中に警戒心はない。
黒球が穏やかに、たおやかに、ただそこにいることをかんじてしまったから。
アリスの中に魂が入っていた時以上に、相手の感情が流れ込んで来てしまったから。
知識が流れ込んで来てしまったから。
(ただ膨張すると、どうなるの? この空間を侵食し続けるだけ? あんまりよくわからないな……)
理解は追いつかない。
だが、黒球の意識が伝える情報は、ただ淡々と増えてゆく。
クマガイは、その情報の数々を得続けてゆく。
(黒球は、この世界をうがつ《・・・》為に生まれた? うがつ? あぁ、穴を開けるってことなんだ? ……何でこの世界に穴を開けるの?)
そして、得た情報についての質問を続けるクマガイは、次第に世界の深層についても知ることとなる。
(え? この世界は箱庭? 俺たちの前世はニセモノ? え? 俺たちは人間じゃない?)
それは、アリスが黙っている情報と重なる。




