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フォンテスの器
だがフォンテスは、ないがしろにされても、シャノンを切り捨てなかった。
マシアス個人としては、シャノンは切り捨て殺すべきだと思ったし、当然そうなると思った。
しかし、そうはならなかった。
(あの方は俺たちなんかとは違う)
フォンテスは従来の吸血鬼とは違う。
真祖という立場も違うが、何より考え方が違う。
それが危うさに繋がることもあるだろう。
それこそ、今回の様に。
だが、マシアスには、そんなことは問題ではない。
フォンテスが決めたことならば、共に進んで行くだけだ。
不敬者のシャノンが許され、フォンテスに抱き抱えられるならば、そこに自分が不満を抱いたら、主フォンテスへの不敬だと、マシアスは考える。
(シャノン、お前もわかっただろ? フォンテス様の器は底が見えねぇ)
前方走るフォンテスに、抱えられてるシャノンの横顔が見える。
その目に光るものがある。
マシアスにはそう見えたのだ。
だから改めて、フォンテスを誇りに思った。




