パーティー結成
ギルドの受付前。
ところどころ跳ねっ返りのストレートロングヘアーの金髪に、赤い瞳の美少女が立っている。
着ている服はエプロンドレス。
髪には、細いリボン。
足は肩幅に開き、腕を組んで、顎を上げ、およそメイドとは思えぬ我がもの顔で立っている。
尋常ならざる美貌が一際目を引く、ブレブロの英雄。
ゴードンさんちの看板娘こと、アリスだ。
普段なら、誰もがその美貌に釘付けになる。
だが、今日は違った。
誰もが、その連れに息を飲む。
連れのひとりは、黒髪に黒い瞳の美女。
着ている服はメイド服。
頭にはホワイトブリム。
耳は尖り、背は高い。
足は肩幅に開き、腕を組んで、顎を上げ、アリスと同じ、およそメイドとは思えぬ我がもの顔で立っている。
アリスとはまた違う美しさを持つ、これまたブレブロの英雄。
ゴードンさんちの影ぼうしこと、服部あずみだ。
誰もが、彼女の変化に息を飲んだ。
だが、それ以上に息を飲む存在がいる。
誰であっても、その者の姿には息を飲む。
銀の鎧に身を包んだ、人間大のゴブリン。
その者の、ゴブリンとしては異常な巨躯と、どんなものでも斬り伏せる伝説の大剣アル・マヒクを見れば、子供でも彼が誰かわかるというもの。
足は肩幅に開き、腕を組んで、顎を上げ、二人と同じく、我がもの顔で立っている。
バンハールにおけるアンデット事変での一騎当千で、一躍、表舞台に躍り出た英雄。
神殿騎士でありながら魔物。
魔物でありながら神殿騎士。
炎の女神官が認めた、正当継承者。
超人勇者がその座を狙わぬ、正当継承者。
誰ともパーティーを組まないとされ、孤高の存在とされ、一匹ゴブリンと称される豪傑。
即ち、聖騎士ゲブ・ズ・ガイン。
そのガインが、街を救った英雄とはいえ、無名の少女たちとパーティーを結成したことは、大事件であった。
聖騎士ガインの、無名パーティー結成への参加は、瞬く間に大陸中に知れ渡った。




