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全うする気の穴倉
アリスの燃える様な目を見た穴倉は目を大きく見開いた。
そして口には、笑みが浮かぶ。
結果、穴倉は、一種異様な笑顔となる。
それは、誰が見ても狂気じみた笑顔に見えるだろう。
ともすれば、何かよからぬことを考えていそうな笑顔。
どこか、見る者を恐怖させる笑顔。
しかしその考えを誰も推し量れない、異様な笑顔。
「っ、ははっ」
笑う穴倉。
その声は明るく、嬉しそうである。
「いいよ。 最初から、そのつもりだから」
穴倉の言葉は、アリスの言葉に対する返答。
命すらアリスに預けろという、身勝手と言ってもいい様な、アリスの言葉に対する返答。
だが穴倉は、アリスの言葉を身勝手とは思っていない。
むしろ、歓迎してさえいる。
穴倉にとってアリスの存在は、生きている理由そのもの。
アリスの為に造られた穴倉は、今、自分の役割を、何の疑問もなく、葛藤もなく、全うする気でいる。
それが自然だと、自分が進む道だと、穴倉は思っている。




