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俺は勝てねぇんか?
「何か納得行かねぇんだわ」
「何が?」
「あん? わかんねぇ」
憮然とした表情のアリスは、穴倉から目をそらし、黒球を見る。
「……」
連れた穴倉も黒球を見た。
「……」
黒球は徐々に大きくなってゆく。
球に触れれば、触れたところが消し飛ぶだろう。
腕なら腕が。
足なら足が。
何が消し飛んでも、アリスなら、回復させることが出来る。
つまり、負けはしない。
だが、拳で黒球を叩き割ることはかなわなかった。
つまり。
「俺は勝てねぇんか? あいつに」
アリスは溜め息をつき、頬を膨らませた。
勝てはしないということか?
そういう思いも持ち始めている。




