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全然やるよ、自爆
自爆を提案するアリスの顔の表情は、いつの間にかトゲがなくなっている。
そして、よく言えば微笑を浮かべている。
穴倉は正直、何だそんなことか、と思った。
というのも穴倉は、自分の命を惜しいとは思っていない。
「いいよ。 全然やるよ、自爆」
無表情で承諾する穴倉。
これだけ落ち着いていられるのには、理由がある。
「俺のこと、生き返らせてくれるんでしょ?」
「そりゃおめぇ、やってやるわ」
アリスは眉を段違いにし、ニヤニヤと笑う。
その顔はもはや、薄ら笑いと言っていいものになっている。
誰が見ても、何か悪いことを企んでいる者の顔だ。
しかしアリスは何も考えていない。
デシネの黒球に、穴倉の自爆をぶつけてみたいだけである。
そして穴倉は、それをおおよそ見抜いている。
「それなら、まぁ、いいよ」
「おう、すまねぇな。 感謝するわ」
故に、一時的に命を落とすことに、全く抵抗がないのである。




