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不気味で、不敵で、不穏
黒球は、無音で、ただひたすらに浮いている。
これといった動きはない。
だが、何か違和感がある。
不気味で、不敵で、不穏な何かが。
だが、それが何なのか、アリスも、ガインも、フォンテスも分からぬまま。
「……」
そのまま、沈黙の時間が流れる。
そのうち、穴倉、吸血鬼たち、ジャン・ジャックも黒球の近くまでやってきた。
「……」
全員がしばらく無言で、黒球を見つめ続ける。
警戒したまま、ただ時間が流れて行く。
先程のフォンテスの突撃、そして惨状を目の当たりにしたことで、誰もが黒球を警戒し、迂闊に動くことがなくなった。
「……」
そんな中。
「……ん?」
違和感の理由に気付いた者がいた。
ジャン・ジャックである。
しかし、ただ違和感の理由に気付いたのではない。
ジャン・ジャックの目の奥には、小さな輝きがともっている。




