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アリス飛ぶ
しかしアリスはふと気付く。
クマガイと意思の疏通が出来ないと。
それはクマガイの使う、風の能力をあてに出来ないということ。
空を飛ぶことが出来ないのだ。
「オーイ、もうしょうがねぇから、走って行ってやるわ」
そう言ったアリスが前傾姿勢になった瞬間、何かが切り替わる感覚があった。
何が切り替わったのかはアリスにはわからない。
わからないが、確かに何かが変わった気がした。
「おぉん!? ……まぁええわ」
何となくだが違和感をかんじたまま、アリスは走り出す為に、クラウチングスタートの姿勢を取った。
「行くぞっっ……おっらァッッ!」
そして勢いよく走り出す。
するとクマガイリュックの手足から、緑の風が噴出された。
緑の風はアリスの体を押し出し、浮かせて、黒球へと向かわせる。
「何だこれオイ!? ……ッッ!」
いや、違う。
緑の風が黒球へと向かわせるのではない。
アリスは目を剥き、歯を剥いて、邪悪な笑みを顔に浮かべた。
黒球へと向かって、自分の意思で飛んでいると知ったのだ。




