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とりあえず踏んどくしかないわ
リュックサックになってしまったクマガイをじっと見つめるアリス。
険しい顔で首を傾げ、今度は明確に溜め息をつく。
「はぁ……」
そしてじっと、クマガイの目を見るが、微動だにしないクマガイの様子を見て、ギラリと目を剥き、顔を近づけて凄む。
「おいコラ、何とか言えや」
だが、クマガイはやはり返答しない。
その様子にアリスは苛立ち、クマガイを地面に投げつけた。
「あー! 何とか言えや! ムカつくわ!」
凄い勢いで投げられたクマガイだが、ぽすっ、と軽い音で接地する。
そしてクマガイは、依然として微動だにしない。
クマガイに何が起きたのか分からず、とにかく反応を欲するアリス。
どうにか何らかの反応を見せてほしいがかなわず、癇癪を起こしそうになる。
そんな自分に気が付いて、こらえようとする。
(とりあえず踏んどくしかないわ。 気持ちを沈める為に)
クマガイを踏みつけようと足を上げるアリスの行動は、今のアリスというよりは、記憶の中の有栖川に近い。
だが、完全に同じというわけでもない。




