お前死んどるんか
アリスの背中には、魂の抜けたクマガイの体がしがみついていたが、不意に、その重量をかんじなくなった。
(地面に落ちたんか?)
周りを見回すアリス。
だが、クマガイが落ちた形跡はない。
(おぉん!?)
『おいクマガイ』
アリスは意識の中で、クマガイに声をかける。
だが、クマガイの姿はなく、返答もない。
『あれ? どこ行ったんやあいつ』
引き続きキョロキョロと周りを見回すアリス。
だが、クマガイの姿はない。
「あれ~? クマガイどこ行った?」
呟くアリス。
すると穴倉が答えた。
「背中にいるよ。 何かリュックサックになってる」
勢いよく振り返るアリス。
「クマの!?」
「クマの」
無表情で答える穴倉が、アリスの肩に手を置く。
アリスは何気なく、穴倉の手が置かれた自分の肩を見る。
すると、背負い紐がかかっていた。
「うわ何じゃコレ!」
反射的に背負い紐を肩から外して手に持つと、紐の先にクマガイがぶら下がっていた。
アリスは半目で見下ろして、溜め息混じりに言う。
「何やっとるんや、お前」
クマガイからの返事はない。
アリスは、異様に軽くなったクマガイを、目線の高さに持って来る。
「おい聞いとるんかクマガイ」
クマガイは、まるで、ただのぬいぐるみ型リュックサックになっている。
「お前死んどるんか」
クマガイからの返答は依然としてない。




