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俺が王様じゃねぇと
アリスは、これまでの自分を思い出す。
自由気ままに進んできた自分を。
いつでも先頭切って進んできた自分を。
だが今は、穴倉、フォンテスが行動を起こそうとしている。
それ自体は構わない。
誰しも行動するのは当たり前のことだ。
しかし、アリスの中で、納得出来ないことがある。
穴倉、フォンテスに、サポートを求められていることだ。
「何かな~!」
アリスは勢いよく頭を掻く。
例えば、穴倉が、フォンテスが、無鉄砲に飛び出したとして、深刻なダメージを受けたとしたら、アリスは何の含みもなく、無償で回復させるつもりだ。
しかし、アリスの存在ありきで、捨て身になられると、何だか気分が悪い。
頼られるのはいいが、利用されるのは違う。
アリスはそう思っている。
「コレよくねぇな。 これは違うわ。 納得行かねぇ」
そして、答えを導き出すアリスは、しっかりとした口調で声に出した。
「俺が王様じゃねぇとダメだろうがよ」
それはハッキリした口調。
クマガイは口を挟みたい気持ちになる。
だが、あえて何かを言うことなく、ただアリスが言うがままを聞いている。




