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次は自爆してみようかな
熱線砲はただ効かなかったのではない。
険しい顔になったのは、その得体のしれなさを目の当たりにしたから。
次の一手を考える穴倉は、黒球をじっと見つめている。
そしてそのままアリスに声をかける。
「飲み込まれた」
「おうよ、見たわ」
二人とも真剣な顔。
ただ絶望するのではなく、何が起こったのかを見た穴倉とアリスは、気付いた点について、言及する。
二人のやりとりを見ていたジャン・ジャックは、視線を黒球に移し、思う。
(飲み込まれた……?)
そう、熱線砲は黒球に飲み込まれた。
弾かれたのではなく、飲み込まれたのだ。
穴倉はそのことについて、当然の様に話す。
「手応えがなかった。 当たった様に見えて、実は当たってないんだよ。 ふふふ」
その笑いは、熱線砲が効かなかったことに対して、ショックなどないと言わんばかりにジャン・ジャックには見えた。
だが、実際には苦笑いの色が混じっている。
それがアリスにはわかった。
「笑うしかねぇわな」
「そうだね」
だが、戦意は燃え上がる。
戦闘生物としての本能が、穴倉にはある。
次なる一手も既に考えているのだ。
「次は自爆してみようかな」
「おい、やめろやめろ。 アレは俺にとってトラウマだわ」
とんでもない一手ではあるが。




