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邪神体の活性化
「彼女の為なら私はッッ!」
デシネの目に力強さが宿った。
ともすれば虚ろに見えがちなデシネの目に、これほどの目力が備わったことはないだろう。
崩れゆく邪神体。
その痛みはまさに体をバラバラにされたかの様な、とてつもないもの。
脳天が痺れ、視界が揺れ、体が震え、血が逆流したと錯覚するほどに、全身の痛覚という痛覚が一斉に働いて、デシネに痛みを伝える。
「……ッッ!」
だがデシネは、鬼の形相で耐えた。
次第に、痛みがおさまってゆく。
そして、遂には、痛みが全てなくなった。
「私は、何だって犠牲にする覚悟だ」
一瞬の沈黙。
後。
デシネの心臓が跳ねた。
この場にいる全員に聞こえるかの様な、大きな鼓動が一つ響いた。
アリスが、穴倉が、クマガイが、ジャン・ジャックが、吸血鬼たちが、一斉にデシネを見る。
無論、ガインもデシネを見ている。
邪神体の活性化を見ている。




