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私の様な者を生むのだ
ゴブリンでありながら聖騎士となった男、ガインは、目の前にいる巨大な邪神を睨む。
その眼光はどこまでも鋭く尖り、デシネの心を刺す。
睨まれたデシネはガインとの邂逅のひとときを思い出してしまい、戦いに躊躇するが、その煮え切らない態度が余計にガインを苛立たせ、睨まれ憎まれていたことに気付いていない。
だが、デシネが、「あくまで悪と断じるか」と言葉を投げかけたことで、ガインの苛立ちは解消された。
ガインは、対する言葉を言うつもりである。
それは正直、他人が見て気持ちのいいものではないだろう、とは思う。
だが、止まりはしない。
「貴様は、人であることを捨てた」
他者を外道だと断罪する時、ガインの心は暗く沈む。
しかし同時に、晴れもする。
魔物であるガインが、聖騎士という位のお陰で、人でなくなった者を裁くことが許される。
ガインが裁きの言葉に到達する時、相手の生命を尊重することはない。
「己は人ならぬ外道を裁く聖騎士だ」
「そういう神殿の傲慢が、私の様な者を生むのだ!」
魔物でありながら聖騎士のガイン。
人であったはずなのに邪神となったデシネ。




