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アリスの変化
だが、クマガイを認めることこそ、アリスの変化である。
アリスは自分の変化には鈍感で、気付いていない。
(俺は、設定に乗っかって生きてるだけだわ)
一瞬目を伏せ、息を吐くアリスの胸には、若干の重苦しさが溜まっていて、吐息は一旦それを解消しつつも、息を吸うと、また重苦しさが胸に溜まる。
アリスは、変化のない自分を機械の様なものと認識し、落胆しているのだ。
(こんなのは人間っぽくねぇんだよな。 俺は喜怒哀楽はすげぇあるけど、何か絶対、人間っぽいアレじゃねぇわ)
アリスは自分を誰よりも感情豊かだと思っている。
感情がくるくる変わるのは自覚している。
だがそれを、用意された反射、リアクションだと思っている。
(人間はきっと、こんなこと考えねぇわ)
アリスは気付いていない。
(まぁええわ。 考えるのダルくなってきたわ。 俺が何モンだろうと、シャカリキになって生きるだけだし、どうでもえぇわ)
機械には、気分による思考停止や妥協、心変わりなど出来ないと。
自分が無意識のうちに、変化ばかりを繰り返しているということを。




