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あくまで悪と断じるか
その目には、怒りと憎しみがこもっていて、デシネをどこまでも躊躇させる。
汚らわしい化け物と言われ、愕然としたデシネは、一瞬静止した。
「……っ」
しかし、すぐに無数の黒棘を展開し、幾重にも重ねて、ガインの侵攻を阻もうとする。
その行為は、結晶化した妻と己の身を守る為のもの。
だが、ガインは単なる戦闘行為だと思い、語気を荒げる。
「まるで人畜無害の様な物言いで、その実、貴様はやる気なのだ」
「違う、私は……」
「貴様に踏みつけられた生命の無念、晴らさせてもらうぞ」
「何故、君はそんなにも私に無理解なのだ」
「悪である貴様が正義の執行者であるこの己に、何の理解を求めるというのだ」
「……あくまで悪と断じるか」
ガインとデシネ。
二人の想いは交わらない。




