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泥だんごの真剣な話
大体ね、あいつ見た目はあんなでさあ、あんな強くてさあ、街の人たちにアリスちゃんアリスちゃんってちやほやされてさあ、何なのあれ?
俺なんかね、泥だんごですよ?
まあ何の力もないですよ。
でも一丁前に感情だけはあると。
だから、こういうことをね、ずっと考えるわけですよ。
ずっとですよ。
どう思う?
俺だってね、あいつみたいな見た目だったらね、まあ人気者になりますよ。
あいつぐらい強かったらね、そりゃあ活躍しますよ?
でもね、泥だんごだもん、無理ですよ。
俺の名前知ってる奴すら、ほとんどいないですよ。
家だってないですからね、俺は。
馬車の下で、雨風凌いでますからね。
だからね、もういいやと思って。
俺なんかね、何の役にも立たないし。
誰も俺なんか必要としてないし。
それどころか、俺って何の為にこの世界に来たの?って思うし。
だって、意味ないじゃん。
俺の存在、意味ないじゃん。
親だっていない。
もちろん、子供だっていませんよ。
恋人だっていませんよ。
友だち…は、もういないしね。
だからもうね、あてもなくふらついて、どっかでひっそりのたれ死のうと思いますよ。




