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立ちはだかるマシアス

 だが、マシアスの感情抑制には、シャノンへの意趣返しの様な意図はない。

 マシアスは単に、フォンテスに追従し、その行動をトレースしているだけだ。

 きっとフォンテスがダイエットを始めれば、マシアスもダイエットを始めるだろうし、フォンテスが読書や勉強を始めれば、マシアスも読書や勉強に勤しむだろう。

 シャノンはそれを痛い程かんじている。

 マシアスは、真祖であるフォンテスに安易について行く。

 つまり、吸血鬼らしさを貫いている。

 だが、フォンテスが、安易な激情を抑え込もうとするお陰で、マシアスも何の疑問もなく冷静さを保とうとする。

 それは、シャノンにとって、悔しいを通り越して屈辱ですらある。

 自分が全てを捨てて臨もうとしていることを、マシアスは何となくやってしまっているからだ。

 そう思うと、シャノンは抑制がきかずに、つい口走ってしまった。


「フォンテス様に、金魚のフンみたいについて行くのは楽しい?」


 一瞬の沈黙。

 そしてマシアスは、怪訝そうな顔で答える。


「フォンテス様について行くのが最高の誉れだろ? 何言ってんだ?」

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