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何を言えってのよ
「何を言えってのよ」
シャノンの目が血走り、口もとには笑みが浮かぶ。
その瞳も唇も、血の様に赤い。
対するマシアスとイゴールの瞳も真っ赤で、この後の血戦を予見するかの様に、シャノンと同じ色をしている。
だが、シャノンの瞳、マシアスの瞳、そしてイゴールの瞳は、どれも表情が違う。
シャノンはどこか冷めながらも、戦いに前向きでギラついた瞳。
「逃げるのも戦略のうちよ」
「貴様など吸血鬼ではない」
間髪入れず、反語を飛ばすイゴール。
その瞳は力強い怒りに満ちていて、シャノンは、一対一でも勝てる気が全くしない。
戦いの火蓋は、今まさに切って落とされそうで、シャノン一人に対し、マシアスとイゴールはやはり二人並んでいる。
シャノンは、一対一で勝てる気がしないのに、一対二では勝てる気がして、また少し笑った。




