1762/2233
どれ程か
「ほざけ」
すかさず言葉を返すのは、不快感を顔に滲ませるマシアス。
その目は据わり、今にも短剣を投げそうだ。
そしてマシアスの横に立つイゴールも戦斧を振り上げ、ピタリと止まった。
対するシャノンも、術式を展開する。
戦闘準備は万端。
だが、どちらも動かない。
上空では、再びフォンテスが、デシネへの突撃を再開した様で、雄叫びが聞こえる。
だが、シャノンは目の前にいるマシアスとイゴールから目を離さず、フォンテスの様子を見ることはしない。
いや、出来ない。
(フォンテス様たちも気になるけど、あちらに注意を向けた瞬間、私は殺される)
隙あらば、今のマシアスとイゴールは攻めて来るだろう。
(普通に戦えば、マシアスと互角にやれるかどうかね)
死人覚醒を経たマシアスがどれ程のものか、シャノンには分からない。
だが、死人覚醒を果たしたのは、シャノンとて同じだ。
つまり、マシアスたちも、今のシャノンの実力をはかりかねている。
「今の私がどれ程か、味わうといいわ」
言いながら、シャノンは内心自嘲して笑う。
自分の実力がどれ程か、シャノン自身も把握していないのだから。




