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肩入れする
アリスのその言葉に、心の中で頷く男が一人。
聖騎士ガインである。
ガインの傍らには、立ったまま死んでいるジャン・ジャック。
ガインは、かつてジャン・ジャックと対峙したことをふと思い出す。
手強かった。
悪だと思った。
しかし、そんな相手ジャン・ジャックと邂逅を果たしたガインは、聖騎士でありながら、己を、ただのガインだ、と思い始めている。
「……」
ガインは、地上からデシネを睨む。
無言で見上げ、デシネを睨む。
デシネは、アリスと向かい合っている。
地上のガインが睨んでも、ちらりとも見ない。
「……」
今、デシネの眼中に映るのは、向かい合うアリスたちであって、地上にいるガインではない。
地上にいるジャン・ジャックではない。
かつて敵であったジャン・ジャックに肩入れする義理はない。
だがガインは、ジャン・ジャックに肩入れするつもりで、矢を引き絞る様に、大剣を構える。




