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死なせたままには
ジャン・ジャックの姿を、意気にかんじぬアリスではない。
献身に心震わせ、肩を震わせ、目にたまる涙をこらえるアリス。
「何て野郎だこの野郎……!」
アリスはジャン・ジャックの能力を覗き見て、軽い気持ちで利用したのだが、予想外なほどジャン・ジャックが燃えたからだ。
悪薬は、体力の消耗が激しい。
だからこそ、試す様な気持ちでいた。
アリスを女神と呼び、心酔しているかの様な態度のジャン・ジャックの気持ちが如何ほどか、見てみたかった。
しかし、命を落とすまで力を注ぎ込むとは、アリスは思いもしなかった。
だが、ジャン・ジャックは命を燃やし尽くし、絶命したのである。
それがアリスの心に、ショックと感銘を与えた。
「そりゃあよ、生き返らせてやるわ」
震えるのは、心、肩、そして声。
「俺が生き返らせてやるって、期待してなきゃよ、そこまではやらなかったかもしれねぇわ。 けどよ」
例え復活を望めないとしても。
「俺の魔法がなくてもよ、生き返れなくてもよ、おめぇは命かけたんじゃねぇか?って何か思うわ。 だからよ……! おめぇを、死なせたままにはしねぇわ、絶対!」
アリスの目が血走る。
睨みつけるは、デシネの顔。




