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許し難い
片やアリスは、ホクホク笑顔。
「まんざらでもねぇわ~!」
その表情に、デシネが眉を段違いにし、不快げな色がより濃くなった。
デシネが救いたい妻、そして妻を救いたいデシネ。
二人は結晶化に囚われたまま、誰にも手を差し伸べてもらえないというのに、ジャン・ジャックは女神の寵愛を繰り返し受けたと言う。
そしてその代償にか、命すら懸けるというのだ。
「許し難い」
ジャン・ジャックの命の軽さが、デシネの感情を逆なでする。
妻を救う為にどんな手でも使うつもりのデシネにとって、ジャン・ジャックの発言と、その命を粗末にすることも厭わぬ、アリスへの盲信は、癪に障るものだった。
「その命、あなたの好きにはさせませんよ」
故に、デシネが狙うは、ジャン・ジャックの犬死に。
黒棘が鋭く尖り、ジャン・ジャックに向かって伸びる。




