1746/2233
女神の寵愛
ジャン・ジャックの体からは、白い靄の様な気が立ちのぼる。
気はジャン・ジャックの体力を変換して作る神聖毒で出来ている。
限界を超えて放出すれば、ジャン・ジャックを死に至らしめる諸刃の刃である。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!」
だが、ジャン・ジャックは躊躇なく気を放出し、デシネへと流し込む。
(この命尽きるとしても構わん!)
ジャン・ジャックの心に、強烈な光がともる。
それは、アリスの存在。
かつてジャン・ジャックは、アリスによって蘇生し、そして先刻、組成を果たした。
だがそれを復活だとは思っていない。
(俺は、あの方によって二度も!)
ジャン・ジャックは、アリスにもたらされた復活を、新生だと思っている。
生まれ変わったのだと思っている。
持たざる者であるジャン・ジャックは、世を拗ねて、罪深き騎士殺しに邁進した。
しかし、そんなジャン・ジャックに、アリスは生命をくれる。
「俺は二度も! 女神の寵愛を受けたのだ! この命、女神(アリス様)の為に!」
遥か上から裾野を見下ろすデシネは、ジャン・ジャックの言葉に眉をしかめる。




