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倒すべき相手
黒棘によって絶命したフォンテスが墜ちる時、アリスが昇って来た。
デシネには、火が消えたフォンテスは落日、そして昇って来るアリスが朝日の様に見えた。
そのイメージは、その時点では正しかったろう。
しかしフォンテスはよみがえり、再び昇って来た。
ただよみがえったのではなく、強くなって、である。
そして今、アリスと並び立つ。
きっとフォンテスを何度倒そうとも、アリスによって何度でも再組成されるであろうフォンテス。
デシネはアリスの魔法が何なのか、正確に把握しているわけではない。
故に、フォンテスが強くなる理由が、フォンテス自身の持つ特性によるものなのか、アリスの魔法によるものなのか、分からない。
だが、フォンテスが強くなって昇って来たのは分かる。
ならば、倒すべき相手がフォンテスではないことだけは分かる。
倒すべき相手は、何度でもフォンテスをよみがえらせるアリスだと、分かる。
「本当に……、危険ですね!」
デシネの眼がぎょろりと剥かれた。
そしてアリスも目を剥いた。




