表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1736/2233

見てるよ、俺は

 先程とは比べものにならない速度を出して飛翔するアリス。

 デシネの体感では、フォンテスに勝るとも劣らない。


「危険ですね」


 デシネがそう呟くと、黒棘(くろとげ)は、今までにない速度で、これまでの何倍もの枝分かれをしてアリスを狙い、伸びた。

 それをことごとくかわすアリス。

 すると黒棘は、回避するかしないかの微妙なタイミングで枝分かれし、さらなる追撃を仕掛けてくる。

 だが、アリスはそれすらも全て回避し、デシネへと()ぶ。


「ッッッシャァァァッッッ行けやァァァッッッオッラァァァッッッ」


 絶叫と共に、アリスの動きがさらに速く、鋭くなる。

 そして、黒棘の刺突を振り切った。

 デシネが感嘆の声をあげる。


「これを()けますか、魔人アリス」


 そのデシネの言に答えるアリス。


「俺じゃねぇけどな!」


 そう、この凄まじい回避は、アリスの意思によるものではない。

 アリスの背中に張り付くクマガイが、風噴射を操作して、黒棘を回避しているのである。

 デシネが鬼の形相となり、(なお)も黒棘を伸ばした。


「ならば下から!背後から!」


 アリスがクマガイの能力で飛行している、と分かったデシネは、あらゆる角度から攻撃するが、しかし、アリスにはかすりもしない。

 思わず不快げな声を出すデシネ。


「見えているとは思えませんがッッ!」


 アリスの背中に張り付くクマガイの顔は、左方を向いている。

 その顔は、苦悶の表情。

 覇気あるアリスの顔と違い、クマガイは白目を剥き、泡を吹いている。

 つまり、意識は失われていて、肉眼でデシネの攻撃を見ているわけではない。

 しかし。


『見てるよ、俺は』


 クマガイは全てを察知し、風を操って、黒棘の動きを回避し続けている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ