表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1732/2233

シャノンもそうだった

 誰もがフォンテスの出自を疑ったのは、フォンテスがどうこうというより、ビクトーを信用していないという意思表示の意味合いが強かった。

 当時のビクトーはまさに、どこの馬の骨とも分からぬ者であったから、フォンテスを連れてくる意図が分からず不気味だった。

 今ともなれば、ビクトーは自分の目的の為に、どんな立ち回りでもする奴なのだと分かるが。

 他の吸血鬼たちも同じ思いで、だからこその反発だったのだが、連れてこられたフォンテスを一目見た瞬間、シャノンは、ああ、本物の真祖だと思った。

 間違いないと思った。

 血の滴る様な真っ赤な髪と、自分たちと同じ赤い瞳。

 理屈ではなく本能が、フォンテスを王だと告げた。

 歓喜の感情そして、信愛と尊敬の念が後から後から湧いて出た。

 他の吸血鬼も皆、憤りもどこへやら、フォンテスを歓迎し、涙した。

 誰もが、何の疑問もなくフォンテスを受け入れた。

 そしてその一挙手一投足がどんなものであっても必ず認めた。

 そこに疑問を挟む余地はない。

 シャノンもそうだった。

 故に、親がシャノンを差し出したことも、何の疑問もなく受け入れた。

 だがフォンテスは、それをよしとしなかった。


「お前にはお前の意思があんだろ」


 そう言って、シャノンの人格を尊重してくれた。

 きっとそれは、フォンテスの思想が詰まった一言。

 路傍の石と変わらぬ扱いをよしとしない、フォンテスの願いだったのではと、シャノンは今は思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ