表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1729/2233

心地が悪い

 片やシャノンは浮かない顔で、飛翔するフォンテスを見上げている。

 そしてその心は、フォンテスが上昇すればする程に、際限なく()ちてゆく。


(私の心が、我が一族から離れて行くのをかんじる。 だがもう、どうしようもない)


 シャノンはごくごく小さく溜め息をつく。

 他者が見れば、もはや溜め息とも思われないほどの、小さな小さな吐息ほどのもの。

 だが、それはシャノンにとっては紛れもなく溜め息で、フォンテスや吸血鬼たちと袂を分かつ気持ちを固める、大きな大きな一息だった。


(私は、変わりゆく我が一族を許せないのね。 そして)


 シャノンは、自分の心に幻滅しながら、しかし、どこか納得出来る思考に至る。


(いつの間にかフォンテス様を、受け付けなくなっていた)


 思えば、かつてのフォンテスは欲望剥き出しの、粗暴で愚鈍な主だった。

 今も、別段、フォンテスの頭がよくなったとは思わない。

 だが、皆が不思議とフォンテスを慕って、吸血鬼らしからぬ寛容さを備えてゆき、そしてフォンテスもまた、吸血鬼に溶け込んでゆきながら、大きな器へと成長してゆくのが、シャノンにとっては、どうにも心地が悪い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ