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重なる寸前
そんなシャノンの雰囲気は、デシネの目には異端に映った。
(彼女だけ、私を見る眼差しが違う)
すぐさま気付くデシネは、この場にいる面々を眺める。
アリスたち、ジャン・ジャック、ガイン、吸血鬼。
誰もがデシネに対して、多かれ少なかれ敵意を燃やす目を向けている。
しかしシャノンだけは違うのだ。
デシネには確信がある。
(彼女は……)
シャノンの目を見るデシネ。
距離はあるが、シャノンもデシネの目を見た。
(……!)
二人はしばし見つめ合う。
そして、お互いに敵意がないことを、無言で理解し合った。
(この人とは分かり合える)
(彼女はこっち側に来る)
二人の心は、もはや重なる寸前である。
だが。
「奴の目を見るな! シャノン!」
赤い髪なびかせて、その間に割って入った者がいた。
フォンテスである。




