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私と似ている
それは、この場においては異質な心持ちであった。
アリスたちも、ジャン・ジャックも、ガインも、そして吸血鬼たちも、デシネに意識が向いている。
フォンテス一人だけが、シャノンを絶えず気にしてはいるが、しかし、今はデシネを見ている。
誰もが邪神を目の当たりにして、敵意を、そして警戒心を目に灯す。
しかしシャノンだけが、敵意を持っていない。
攻撃に対処すべく備えてはいるが、反撃の意思はない。
(あなたは何故、人の姿で現れたの? そして何故、天使を助けたの?)
デシネを見上げるシャノンの目には、恐怖の色はない。
むしろ歓喜の色さえある。
異形の姿ながら、デシネは天使ゾミを救った。
救いに来た様に見えた。
よってシャノンはデシネのことを、理解出来ぬ相手だとは思えない。
(私と似ている様な気がするのよ、どうしても)
多勢に無勢をよしとしないシャノンは、今、まさに多勢に無勢で囲まれているデシネに、無意識のうちに肩入れし始めている。
それはある意味、理解されていない自分と重ねる部分もある。
そして、仲間たちへの反感の気持ちが、本格的に育ち始めているということでもあるのだ。




