1715/2233
全者全様
しかし穴倉本人はと言うと、何らデシネの異容に怯むところがない。
穴倉から見るとデシネは、人間が異形化した様に見える。
それは、恐怖の対象にはなり得ないのである。
「熱線砲!!!!!」
何故ならば、穴倉は、自分が魔物として生まれたことを知っている。
自分が元から禍々しい存在なのだという認識がある。
それが穴倉羊透という生き物なのだと思っている。
「ッッ……!」
放出されていた熱線がほどけ、消えた。
熱線でえぐれたデシネの肉が、ブスブスと音をあげる。
顔をしかめるデシネ。
熱線砲のダメージからか、痛みはいかほどなのか。
対する穴倉は、依然、眼光鋭い。
額が割れ、赤く輝く。
もう一撃、熱線砲を撃つ態勢は整っている。
ガインは大剣を構え、吸血鬼たちも、シャノン以外はデシネを睨む。
そんな中、アリスとクマガイは、手を団扇の様にあおぎ、デシネの焼けた肉の香りを必死に嗅ぐ。
「これ焼肉の匂いだわ!」
「確かに確かに!」
ジャン・ジャックはアリスを見て、一瞬戸惑うが、意を決した様に小さく手をあおいだ。




