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皆の戦慄
「熱線砲!!!!!」
なおも穴倉は灼熱の閃光炎を放出しながら、雄叫びをあげ続ける。
混血熱線砲が縦横無尽にはしった後には深い溝が出来てゆく。
デシネの体組織は焼けただれ、えぐれて、熱線砲の威力を物語る。
クマガイはそれを見ながら唾を飲み込み、喉を鳴らした。
それは大きな音で、周りにまで響いた様に、クマガイには思えた。
実際は、さほどの音ではなかったし、穴倉の叫び声にかき消された。
だが、クマガイは、穴倉に抱いた戦慄と恐怖の感情、その全てが、喉鳴りに乗った様な錯覚に陥った。
そしてそれが、周りに伝わったのではないか、と思ったのだ。
結論から言うと、クマガイの喉音は、誰にも伝わることはなかった。
だが、何人かは、同じ様に喉を鳴らした。
彼らは皆、邪神と魔物の対峙に愕然とした者たちだ。
言葉はなくとも、その意思は重なっている。
そのうちの一人が、殺人医師ジャン・ジャックだった。




