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人間じゃない
だからこそ穴倉は、先手必勝の一撃を求めたのかもしれない。
全身の力が心臓一点に集められ、そして放出された。
熱線がはしり、デシネの肥大化した体に届く。
その瞬間、熱線は、デシネの皮膚を、体組織を燃やし、溶かし、貫いた。
穴倉の破壊衝動、殺戮願望、そして、これらを孕んだ攻撃性が満たされる、唯一無二の攻撃。
それが混血熱線砲なのである。
「熱線砲!!!!!」
クマガイは、感情を爆発させ雄叫びをあげる穴倉に圧倒され、後ずさる。
(人間じゃないんだもんな、もう)
それは穴倉を見ての客観的な感想。
……なのだが、同時にデシネ、ひいては自分自身への感想にもなってくる。
(穴倉だけじゃない。 あの邪神もそうだし、俺だってそうだ)
更には。
(アリスも、吸血鬼たちも)
見た目はほとんど人間体だが、人間ではない者ばかりなのだ。




