スライムクイーン心折れる
ルリは、牽制も兼ねて、水鉄砲を三発撃つ。
「よっ!ほっ!はっ!」
しかしギルバーティは、ぎこちない動きながら、全弾かわしてしまった。
「いきなり危ないぜ?」
そして、ニヤリと口元に笑みを浮かべる。
しかし、目は笑ってはいない。
こいつ、強い?
鑑定でステータスを見る分には、とても弱い。
動きも、大したことはない。
だが、何かがおかしい。
次にルリは、水鉄砲を同時に六発撃つ。
それを、間髪入れずに三連射。
全ての弾を尖らせて殺傷力を上げ、噴射で速度も上げる。
合計十八発の水の弾丸が殺到したが、やはり、ぎこちない動きながら、ギルバーティは全てかわしてしまう。
「ルリ、お前すげえぜ。ステータスは弱いのに、上位種の特性を生かして何倍にも、いや何十倍にも強くなる魔物なんて、なかなかいないぜ?」
───鑑定持ちだ。
ルリは、じりじりと距離を取りながら思う。
このギルバーティという男、何か危険だ。
ステータスは私を下回っているのに、私を弱いと言った。
これは、嘘のステータスを見せられているのだ。
本当は、かなりの実力者だろう。
ここで殺されたら、生き返ることはない。
そう考えると、気持ちが張りつめ、精神的な疲労が急にのしかかってくる。
死の恐怖に体が震える。
そして。
「見逃して、くれない?」
逃げたい気持ちだけが、溢れ出した。
ルリが口にした言葉は、敗北宣言だった。




