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口笛を吹くクマガイ
空中に浮いていたデシネは、その様子を見ながら、静かに地に着地した。
クマガイに打たれた頭部にダメージはない。
「ふむ、動きは大したものですが、力はない」
そう言うとデシネは目を引き絞る様に細め、クマガイを睨む。
その射抜く様な視線にクマガイは萎縮し、目を逸らして口を尖らせる。
「ピ~ピピ~♪ ピ~ピ~ピ~♪」
そして、わざとらしい程の口笛を吹き、あちらこちらへと顔を向ける。
じわりじわりと歩き、少しずつ、ほんの少しずつ、デシネに近付く。
そんなクマガイの横には、げんなり顔のアリス。
「オイやめとけやめとけ、お前じゃかなわんかなわん」
「しっ、もっかい攻撃狙ってるのがバレるバレる! ……真面目な話、かなわなくてもやってみるよ俺は」
「はぁ? チッ、めんどくせぇわお前」
クマガイの、思いのほかポジティブなところに呆れるアリスだが、ピッタリとクマガイの横につけている。
これが必要なことだとアリスは思っているのだ。




