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力なく笑う
しかしその影響力は、一族全体を変えつつある。
吸血鬼が吸血鬼らしくない戦いをする様になったのがその証明。
シャノンはそう思っている。
(フォンテス様は長だが……)
右腕として補佐してきたシャノンは、フォンテスに対して思うところがある。
それは。
(長だが、先導者の器ではない)
フォンテスへの不満。
いや、これは、一族全体への不満だ。
どういうことかというと、例えば、この戦いにおいて、フォンテスと仲間たちは、多対一で敵を囲む戦いを、抵抗なくやる様になっている。
そうなったのは、一族に異質な考え方を持ち込んだ存在がいるからだ。
勝てばいいのだと言わんばかりに、どんな手段も使う男。
これがフォンテスなのだと、シャノンは思っている。
(こんなことを考えてしまう私はやはり……)
「不敬だな」
そして力なく笑う。




