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戦わなくていいんなら
(怖いんですけどマジで)
クマガイは膝を軽く曲げ、少し腰がひけた体勢でデシネの出方をうかがう。
デシネはこれといった攻撃を見せていない。
つまりどんな戦闘スタイルなのか、まだ分からない。
なのにクマガイはデシネの近くまで接近してしまった。
(不用意にこんな近くまで来るんじゃなかったよ、怖いよ)
思えばクマガイは、色んな目に遭ってきた。
いつだって誰かに翻弄されてきた。
(でも今回は)
今回だけは、自分から首を突っ込んだ。
アリスのやろうとしていることに異を唱えて、自分で主導権を握った。
(俺が一旦任されたから)
「穏便に話しましょう」
(この邪神さんが何を考えてるのか、何しに来て何をするつもりなのかを聞こう。 そして俺は)
「戦わなくていいんなら、戦わないでいたいんですよ。 どうですか?」
クマガイの言葉は、平和的解決を提案するもの。
聞いたデシネは目を細め、口もとに笑みを浮かべる。




